レナフォ設立者の一人は土木技術者であり、長年道路の建設に携わってきましが、その多くで道路公害を心配する沿道住民から強い反対に会いました。彼には反対する人々の気持ちがよく理解できました。「沿道住民が納得できる環境保全対策は無いものか」と悩んでいた時、宮脇昭横浜国立大学教授(当時)の講演「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」を聞き、「これだ!」と心で叫びました。
以来、宮脇氏等の植生生態学専門家の助言指導をいただきながら、国道24号橿原バイパス、首都圏中央連絡自動車東京都内、いわきニュータウン、鳥取新都市、長野オリンピック関連事業など担当した事業に「ふるさとの森づくり」を提案実施してきました。
彼が以前造ったコンクリートの土木施設はヒビワレたり、鋼製の橋梁にサビが発生して時間とともに劣化が進みました。他方「ふるさとの森」は「その後どうなったかな?」と訪れる度に逞しく生長をとげ、深い感動を与えてくれます。またコンクリートや鉄の寿命は100年程度であるのに対し、「ふるさとの森」は過剰な干渉さえしなければ数千年の長きにわたって存続します。
サラリーマンをやめた後、同じように「ふるさとの森づくり」に携わってきた2人の賛同者と語り合って2008年9月にNPO法人国際ふるさとの森づくり協会(レナフォ)を立ち上げました。略称レナフォは当協会の英語名International Association for Restoration of Native Forest の後部 Restoration of Native Forest のはじめの文字をとったもので、ロゴマークはタブノキの葉です。
森林の持つ環境保全効果・防災効果・人々への癒し効果など多様な効果をまとめて評価できる客観的な基準(物差し)はありません。しかし人間には感性、本能、直感力といった高度な感覚があり、これをフルに働かせて複雑な問題を総合的に評価し判断します。レナフォ事業の一つ、市民参加の植樹祭では多くの方々に自ら苗木を植えていただき、現場で森林再生の喜び、自然復元の実感を味わっていただきます。楽しみながら、足元から、できることから、今すぐに、地球規模の大きな問題に多くの皆様とご一緒に取り組んでいただきたい。これが私達の基本理念であります。レナフォは「ふるさとの森づくり」をひとすじに愚直に実践推進するNPO法人です。