森にはいろいろな森があります。杉の美林も森。薪炭林の里山も森。しかしいずれも人の手が強く入った森です。世界中を見ても人間の影響を受けない森(自然林)はほとんど残されていないといわれます。
もし人間が一切影響を与えないで、数百間年自然のままに放置したとき、どんな森ができるだろう? 近年、植生生態学や植物社会学の研究により、それぞれの場所での自然の森の姿が次第に明らかになってきました。
こんな本来の森(自然林)を再生することが、そしてこの目で観ることができるでしょうか? 実はできるんです!
自然林再生の夢を実現する具体的な方法を提案し、自ら実践して来た人がいます。横浜国立大学名誉教授宮脇昭氏です。この自然林再生方法を「ふるさとの森づくり」といいます。人間は最初にきっかけを作るだけで、後は自然に任せます。多くの動植物で構成される多様で美しい本来の森が15年から20年で形成されます。
2015年12月、パリで「地球温暖化防止締約国会議」(COP21)が開催され温室効果ガスの削減に向けた合意がなされました。 産業革命後の化石燃料消費による二酸化炭素濃度の増加による、地球規模での深刻な温暖化に対処しようとするものです。「ふるさとの森づくり」は二酸化炭素の吸収・固定にも貢献します。
また、その土地の生態系を維持し、多様な生物の生息環境を提供し、その土地本来の森の姿を現出します。
土地本来の樹種からなる強い森は人間による維持管理を必要とせず、数千年にわたって斜面安定・防潮・防火・防砂・防風・防音などの多様な防災効果を発揮します。
動物の一亜種にすぎない人間はもっと自然に対して謙虚になり、その上で科学的知見をもって自らが破壊してきた良好な環境を再生すべきではないでしょうか。その具体的な行動の一つとして「ふるさとの森づくり」があります。
森づくり事例を是非ご覧ください。