7月8日朝、25名の参加者が仙台駅に集合しました。
チャーターバスに搭乗し、8日は岩沼市内8箇所を視察、9日に亘理郡および仙台市内の6箇所を視察しました。千年希望の丘のみならず、同時期に実施された東北被災地での森づくり実践地を見学することができました。
1日目には岩沼市空港南公園にて、2日目には山元町の八重垣神社にて苗木の簡易生長調査を実施しました。 森はいずれも順調に成長しており、イメージした通りの「森の防潮堤」になりつつあることが確認されました。
仙台市では樹林化が芳しくない事例とその反省を生かした成功した事例を併せて見学することができ、貴重な知見の共有することができました。
また数年後に、改めて大きく育った森を観察に再び訪れたいと思います。
参加者の声
「植樹祭前の準備をしっかり行えば、10年後には驚くくらいの大きな森を創ることができることを自分の目で確認することができた」
「自分がチャレンジしようとしていることの近未来の姿を見ることができ、モチベーションがぐんっと高くなった」
「森の外と内での気温と湿度の違いなど、実際に体感する森の効果はよい経験だった。林床に厚く重なる落ち葉やそれらを分解する大きなミミズや虫たち。繁った森に巣をかける野鳥やタブノキに舞う蝶、水辺が近いこともあったが、蛙やカニまで見ることができた。これらのことは生物多様性の証左であると感じた」
「遺伝子の地域性の違いに配慮するため、タネ拾いから森づくりを始めていたことに驚いた」
「マウンドづくりが如何に重要なのかを実感した。自分が関わったこれまでの植樹地はほとんどが水はけの良い斜面地に植樹しており、基盤となるマウンドの重要性に気がついていなかった」
アメリカから参加した ニーラム・パティルさん の感想文
(カリフォルニア州の理科教師 TIME誌の2022年度イノベーション・ティーチャー)
宮脇の森ツアーに参加したことは、本当に人生を変える体験でした。インターネットでしか読んだことがなかった津波から人々を守るための森は、特に印象的でした。
何かに自分を捧げることの大切さや、献身、回復する力、革新性、粘り強さ、そして心の力について多くを学びました。
神社でも海岸でも、広大な宮脇の森を見ることができたのは本当に驚きでした。
特に感動的だったのは、スーパーのチェーンであるイオンが自社の建物の前に森を植えていた話でした。その建物は津波から完全に守られました。しかし、数百メートル離れた別の建物は窓ガラスが割れ、浸水し、壊滅的な被害を受けたのです。私たち人間が母なる自然と協力し、自然を尊重すると決めたとき、私たち自身も大切にされるということを教えてくれました。母なる自然は、母親が赤ん坊を世話するように、私たちの面倒を見てくれるでしょう。しかし、私たちが自己中心的で、地球上の他のすべての種よりも自分たちのほうが優れていて重要であると考えたなら、私たちの人生はより困難となり、破滅を経験することになるかもしれません。
地球を大切にするのは私たち次第です。宮脇先生はそのような良い例を示してくれましたし、20年以上にわたってこの仕事に献身的に取り組んでいる皆さんにお会いできたのは本当に素晴らしかったです。皆さんは大きなことを成し遂げています。